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2010.07.07 (Wed)

最後の仕事

今回の記事は、「改訂版・女将ヒストリー」 の第27回。
なお、1話目から読んで下さる場合は、こちらからどうぞ→ 「女将ヒストリー」

さて、最初の店を作った時は
なんせ、全てが初めての経験でしたから
当時は業者さんに何をどう頼んだらいいのか、それさえ分からない状態。

それに、予算もあってないようなものでしたので
本当に何もかも、まわりから 「言われるがまま」 という感じでしたね。 

けれど今回の場合、財布の紐は、このワタシがガッチリ握っているのですから・・・

あずき顔ケチ


とりあえず、借金は極力しない方向。
自分たちに無理のない範囲で、予算を立てることにしました。
なにも最初から、全部完璧じゃなくても
儲かって余裕が出来たら、また改装すればいいのだ。


ですが、そのとばっちりを受けたのは、間違いなく I さん。
だって手持ちのカタログで選んでくれれば、全部一発で揃うのに・・・

今回の依頼主、てかアタシは、いちいち言うことがシロート目線。
「こんなの自分たちでも作れるよねー」 とか
「こんなのホームセンターで買えば、半額じゃん」 とか
I さんの手間も考えず、とにかく言いたい放題なのです。

けど、実際のとこ、ホントにそうなんですよ。
照明だってカタログで選ぶと、どれも結構なお値段。
だけど、似たようなのをホームセンターで探してこれば、だいたい3~4割は引いてくれるの。

なので I さんは、
「ったく、嫁さんにはかなわないなぁ~ ┐('~`;)┌ 」 とか言いながら

でも、いつも快く応じてくれました。

ただ、「ここでケチると、あとあと後悔するぞ」 というところは
ちゃんと譲らずに教えてくれて。

あ、それに、そうそう。
以前、ワタシが傷つけてしまった例の I Hのテーブル
あれだって、既成品を買ったら、楽だったのですよ。

でも、少しでも安く手に入れたいワタシは
メーカーのHPで、 I H部分だけ買えることに気づいてしまいましてね~
既成品だとテーブルのサイズが気に入らなかったこともあり、

今度は
「ねえ、I さん、こういうテーブル、大工さんに頼んで作ってもらえない?」


あずきツンツンこのこのっ

と・・・。


つまり、うちの場合、小上がり(座敷)自体の奥行きが狭かったので
よくあるサイズのテーブルだと、座るスペースが狭くなってしまうのです。
なので、そうすっと、体の大きい方だと、床に落っこちる危険性もあるワケ。

ですから、そこは無理を言って、テーブル部分だけを大工さんに別発注。
で、最終的に組み立てるのは、モチのロン、 I さんです。

けど、そのおかげで、うちには丁度良い I Hテーブルが置けました。
しかも既成品よりも、だいぶお安く。

それとね、うちは二階にも小さい和室があるんですが
そこにもともとあった襖は、とんでもなくズタボロでして・・・・。

ですから、さすがのワタシも、新しいのを買うつもりだった矢先
今度は I さんが、レトロな硝子戸を、どっかから拾って持ってきてくれたのです。

けど、たしかに中の様子も見えてワタシも楽だし
なんだかレトロでイイ感じ。

ただ、建物自体があちこち歪みまくっていたのでね~
その戸は、ハマる予定が、
全然ハマらないのよ。

プッ ちょっと~


なので、 I さんは、その戸の上下を、どれだけ削ったことか。(笑)


けど、こうしていると・・・

ああ、やだ


グスン 泣く 涙

なんだか、あの時のことを、どんどん思い出してきました。



でも、 I さんは、全然嫌な顔しなかったなぁ。 


ワタシはあんなにコキ使ったし

あんなにケチンボなことを言ったのに・・・・


軽トラ




そして、移転オープンした翌年の春
今度はエアコンを買い換えるため、うちらはまた I さんに仕事を依頼しました。

けど、そのときの I さんは
少し痩せてて、声がおかしかった。

なのでワタシは
何度も何度も 「 I さん、大丈夫? ねえ、大丈夫?」 と聞いたけれど

I さんは、「大丈夫だよ。いつもと一緒だよ」 とだけ言いました。

ワタシは、「いつもと一緒のワケなんかない」 と思ったけれど
もうそれ以上、何も聞けませんでした。




それからの I さんは、すごく頑張って闘いました。 


だけど・・・・・



その年の年末
I さんは、肺がんで亡くなりました。





思えばワタシは、 I さんに、いつもいつも心配ばかりかけていました。


パニック


そして、無理ばっかりお願いしてた。


なので、亡くなったあと、ご自宅にお参りに行った際も

ワタシは
「うちらはまだ I さんに、何の恩返しも出来ていない」

悔しい悲しい涙泣く

と遺影の前で泣きじゃくってしまいました。


だけど奥さんは、そんなワタシに、「もう、いいのよ」 って・・・。



最後にやった あたなたちの仕事は

本人がやりたかったんだから、もうそれでいいの。


二人のことは、あの人、ずっと心配していたけど・・・


現に、ちゃんと新しいお店がオープンして

ふたりが頑張っている姿を見れて


あの人・・・

すごく喜んでいたんだから




 


今、うちらは、そばに I さんがいないと、心細くてたまりません。


I さんにもう会えないなんて、さみしくてさみしくて、たまらないのです。



だけど、I さん・・・


うちらは、これからも頑張ろうと思います。


だから、これからも、うちらのことを


ずっと空から


Iさん天使



見守っていてよね。



(※なお、この記事は、2008年5月の記事に、加筆・修正したものです)



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12:07  |  女将ヒストリー  |  トラックバック(0)  |  コメント(9)

Comment

こんにちは(^^)

拝見して胸がいっぱいになりました。

Iさんの奥様のおっしゃっている事は本当だと思いました。
Iさんは本物の“職人”さんだったのですね。
やりたい仕事が出来て、本当に幸せだったんだろうなと思います。

Iさんは“心”と“魂”を込め、お仕事をされた事でしょう。

そうした仕事が出来る事、また、それを心で理解して頂けるお客様に出会えてた事、
その満足感は職人冥利につきる事でしょう。

Iさんは、あずきさんご夫妻からの要望が出れば出る程、
“職人魂”が燃えたのではないでしょうか?
そんな気がします。
双方が真剣に向き合った仕事って、大変なんだけど、愉しいものですもの。

Iさんは、あずきさんご夫妻のお店を手掛ける事が、きっと愉しくて仕方なかったんでしょうね。

結果、お客様の“満足”を越える仕事をされたIさんは
その道の“プロ”としても素晴らしい方だったのですね。

そして、その期待に応えて続けておられるあずきさんご夫妻こそが、私は素晴らしいと思うのです。

ダイアモンドはダイアモンドでしか磨けないそうです。
人もまた、人との出会いの中でこそ磨かれて行くのだな…。
ふと、そんな事を思いました。

HさんやIさんは、あずきさんご夫妻を磨きたくて仕方なかったんですよ。
お二人の目には、キラキラと光るのが見えていたから。
だって、HさんもIさんもダイアモンドだったんだもの。

そんな気がします。
素敵な話を有難うございました(*^^*)
kuririn |  2008.05.12(月) 11:43 | URL |  【編集】

あずきさん 素敵なお話ですね。
奥様の言うとおりだと私も思います。
あずきさんご夫妻の人柄がいい出逢いに繋がるんでしょうね

バナーの件、ありがとうございました。
早速、参考にしてみました。m(__)m
こんないいお話の時にバナーのことなど
とも思ったのですが・・・(*^_^*)
プチトマ |  2008.05.12(月) 13:52 | URL |  【編集】

もう胸がいっぱいになりました。
Iさんは、プロの職人としてはもちろん あずきさん夫婦の応援団としても
やりがいのある楽しい時間だったのではないでしょうか。
あずきさんが主体的に変わって頑張ろうとしているのを応援したかったのだと思います。
今のお店は素敵な出会いと、応援団のサポートとあずきさんご夫婦の努力で
生まれた 格別なお店なのですね。
とっても良い『気』が生まれそう。

3話も読めて このシリーズファンとしては嬉しかったです。
lei |  2008.05.12(月) 15:06 | URL |  【編集】

Thanks!

あずきさん

素敵なストーリをありがとうございます。 Leiさんの言ってる様に、私も胸がいっぱいになりました。 ご夫婦で誠実に生きて、働いていられるからこそ、IさんやHさんのような応援団が周りに集まってこられるんですよね。 昨日と今日の女将ヒストリーを読んで、「ああ、まじめに、誠実に生きていかなきゃ!」と思いました。 そんな思いにしてくださったあずきさんの応援ぽち!
Kaz |  2008.05.12(月) 20:28 | URL |  【編集】

・ ゚・。* 。 +゚。・.。* ゚ + 。・゚・(ノД`)゚・。* 。 +゚。・

Iさん、情に厚いステキな方だったんですね。

時に、どうしてこんなにステキな方の命が
短いのだろうと、思わされる事があります。
悲しすぎる別れは、いろんな事を教えてくれますが、
それでももっと一緒にいたかったと思います。

知らないわたくしでさえ、
Iさんのお話に続きがあって欲しかったと思いました。

Iさんの素晴らしさが、このブログを読んでいる皆さんに、
あずきはんの言葉を通して伝わったんですね。(´ω`。)

はちみつココア |  2008.05.12(月) 22:50 | URL |  【編集】

コメントありがとうございます

kuririnさん
今回の記事はちょっとおセンチなので、ドン引きされるかも・・・
と思ったのですが、何かを感じてもらえた人がいたなら嬉しいです。

Iさんのことはともかく、私たちには過分なコメントをいただきまして・・・。
恐縮しております。ノ(´д`*)

プチトマさん
いえいえ、お気になさらず。
バナーの件、うまく出来るといいですね。
ワタシは、バナー作りにハマっちゃって。
記事書かずに、バナーばっかり載せたいくらいです。(笑)

leiさん
>>3話も読めて このシリーズファンとしては嬉しかったです。

この連載も長くなってきたので、一見さんには申し訳なく、
なかなか載せるのを躊躇します。
一人でも、こう言っていただける方があったので、ホッとしました。
ありがとうございます。

Kazさん
私たちがあまりにも頼りなかったので、いろんな方にお世話をかけました。
私たちのことはともかく、「世の中捨てたもんじゃない」
それが伝わればいいなぁと思っています。

はっちー
I さんのこと、本当に好きだったのよ、ワタシ。

悲しい別れだったけど、出会えたことに感謝したいと思っています。
で、Iさんに教えてもらった、いろいろなことを忘れないようにしたい。




あずき |  2008.05.13(火) 11:17 | URL |  【編集】

私にも同じような人がいます。
50代で膵臓癌で亡くなった伯父なのですが、損得勘定無く動き、弱きを助け強きを挫く人でした。

きっとIさんは天国で
「あずきちゃん、頑張ってるなぁ。その調子やで~」って言ってくれていますね。

私も伯父に天国から怒られないように、伯父の精神を忘れず感謝して生きていきたいです。
まんじゅう |  2010.07.07(水) 14:20 | URL |  【編集】

かわいいずうずうしさ。

それは、女将にとって、大切な素質だと思います。

女将ヒストリーを読んでいると、
最初の頃のまるで、親戚のお嬢ちゃんがお手伝いしてるみたいな、
あるいはパート女将的だったあずきさんが、試練を超えながら強く、
したたかにたくましい女将へと変化する過程がよ~くわかります。

たまたま今日の新聞の片隅で見つけた記事「全国女将サミット」
(料理屋ではなく、旅館の女将たちですが)
着物姿の女将が110人も集まって、写真を見ると壮観。
でも、この不況の中、それぞれの旅館も経営は苦境に立たされていると思います。

たかが、女の細腕?ではあっても、人頼みや、人任せではなく、
自分が主体的に何かやろうとしたときに、周りも動かされる、
それをあずきさんが示してくれるので、勇気がわきます♪

その上で、女将さんの武器、相手が嫌といえない、
かわいいずうずうしさ発動ですね。

※後半のイラストは前のものですか?いいですね♪
女将さん同様イラストも進化著しいですが、初心というのも貴重。
いつでも初心にもどれる女将ヒストリー、頑張って書き残す意義は大ですね。
きらりん |  2010.07.07(水) 16:48 | URL |  【編集】

コメントありがとうございます

まんじゅうサン
そうですか、その伯父さまも、若くして亡くなられたんですね・・・(T_T)

ですが、店のそこここに、I さんの思い出が染みついているので・・・
I さんのことは、本当に、今も、しょっちゅう思い出すんですよ。

まんじゅうサンも伯父さまの教えを忘れず、ご主人と頑張ってくださいね~☆

きらりんサン
>>後半のイラストは前のものですか?

ええ、後半3枚は、昔描いたものを、そのまま使っています。
けど、軽トラを描いたり、カウンターの様子を描いたり
ワタシにとっては、めっさハードルが高かったのよ。
っつーか、 I さんの顔は、今見ても、かなり激似なのです。
v( ̄Д ̄)v ブイッ
あずき |  2010.07.09(金) 10:41 | URL |  【編集】

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