「いい人」だけでいいのか
- 女将ヒストリー
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今日は久し振りに 「女将ヒストリー」 という連載を書こうと思います。
この連載は既に二十何回も書いちゃってましてね。
内容的には女将さんになってから紆余曲折が書かれております。
興味のある人は、「女将ヒストリー」 のカテをご覧ください。
では、始めますね。
今から3年半前の9月末。
悩んでいた立ち退き問題を脱し、移転先が決まりました。
うちのような商売は、11月半ばから年末が勝負ですから、グズグズしている余裕はありません。11月はじめの移転を目指し、ミッションがスタートしました。
メンバーは3人。 旦那さん、ワタシ、そして I さんです。
I さんは、最初の店を作った内装屋さんで、それ以来ずっと公私にわたりお世話になってきました。
カッコ良く言うと、私たちのブレーン。
とても気さくな面白い人です。
さて、少し話は変わって・・・・
店を始めた頃と今とでは、いろんなことが変わりましたが、一番変わったことは女将さん、つまりワタシの気持ちだろうと思います。
最初の頃は嫌で嫌でたまらなかったこの仕事が、今は、ようやく好きになれました。
そうなれたのは、日々の経験の積み重ねとも言えますが、やはり移転したことがターニングポイントだろうと思います。
今まであれこれ言わなかったHさんが一喝してくれたのも、この時期。
あの時、目が覚めました。
同じ頃、もうひとり、心に残る言葉を投げかけてくれた人がいます。
それが I さん。
今の店の話を、受けるべきか見送るべきか迷っていた時に言われました。
結局、大将夫妻の後押しで心が決まったのですが、それ以前に I さんのこのアドバイスがなかったら、早々に断っていたかも知れません。
大将の店と目と鼻の先に移転するなんて、”してはいけないこと”のように思っていましたからね。
I さんに言われたのは、こんな言葉でした。
「いい人」なだけで、いいのか?
I さんが言いたかったことは、こういうことです。
○○君(旦那)は修業時代も含めると、もう25年もこの世界にいるから、業界じゃあ、それなりに顔も知られてる。
みんな、君たちのことを 「いい子たち」 だと言ってるよ。
けど、いつまでも、それで喜んでいていいのか?
使われている身ならともかく、曲がりなりにも自分の店を持ったのだから。
同業者にも 「いい人」 としか言われないってのは、裏を返せば
「どうでもいい人」 なんじゃないのか。
いてもいなくても、大勢に影響がない。
この店があろうとなかろうと、問題にもされていない。
出る杭は打たれる。
けれど、打たれもしない杭でいいのか?
ある意味、妬まれたり悪口を言われて、ナンボのもんなのだ。
せっかく17年も修行して開いた店なんだから、やるからにはもっと上を目指せ。
もっと、欲を出さなくてどうする。
その通りです。
内容的には、Hさんが言いたかったことと似ていますね。
それだけ皆が思っていたことなのでしょう。
私たちには、その部分が圧倒的に足りませんでした。
周囲の目を気にする余り、結局何も成し遂げれず、商売の楽しさも知らずにいた。
独立したにも関わらず、自分たちのしたいように出来ていなかったのです。
この言葉を肝に銘じてから、ワタシは、いろんなことが吹っ切れました。
Hさんに言われたことと合わせ、「自分の人生」 という意識が芽生え、いい意味で人の評価を気にしなくなったのです。
移転当時は、私たちがこの場所に移ってきたことを、批判する人もいたと思います。
「常識外れ」 だとか 「恩知らず」 だとか。
でも、前回の記事に書いたように、大将夫妻さえ了承してもらえれば、他で何を言われようと気にしませんでした。
他にも、昔はあくまで主人を立てるべきだと考えていて、ワタシが主導権を握っているように言われるのが嫌でしてね・・・。
「かかあ天下」 だとか 「あそこの女将はやり手」 だとか、言われたくない。
あくまで 「内助の功」 と呼んでいただきたかった。
でも、夫婦にはそれぞれいろんな形があるのだから、うちの人のようなタイプの場合、そうも言っていられないことに気付きました。
「あの奥さんは、ハッキリしている」 とか「旦那を尻に敷いている」 とか言われても、商売をやっている以上、言うべきことはキッチリ言わなければならない。
今じゃ、思う存分、主導権 握っています。
結局その言葉に励まされ、ピンときた店を手に入れることが出来ました。
そして、今回もまた、最初の時と同じメンバーでの店作りをすることに・・・。
でも、7年前とは違いました。
以前は何も分からず、I さん主導で店が出来あがった。
お金をかけた分、小洒落た店でしたが、少なくともワタシにとっては”与えられた店”。
”自分が作った”という意識は全くありませんでした。
けれど、今回一番張り切っていたのはワタシです。
I さんにとっては全然儲からない仕事になりましたが、
「もう一度頑張ってみたいから、またお願いします」
と言いに行ったワタシの顔を見て、
I さんは、とても嬉しそうに頷いてくれました。
「よし、一緒に頑張ろう!」
その日から移転するまでのひと月半は、とても充実した毎日になったのです。
今日のバナーは、久しぶりのあのヒトよ。
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- [2008/05/10 13:01]
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コメント
今、ポチしたところ・・・
あずきさーん!
今日のお話、とっても嬉しい!
商売って夫婦で協力し合うと結果が何十倍にもなる掛け算ですよね。
結婚するときにはもう自営業を営んでいた夫に「キレイな世界じゃないからアキコは一切やらなくていい」と言われたのに気がつくとワタシ無しでは廻らなくなっていました・・・
今ではドーップリ浸かってますけど客商売は人を喜ばせる仕事なので楽しいですよね!
あずきさんが最初好きでなかった仕事をいま、とても楽しんでいらっしゃるのがイラストの顔でわかりま〜す、サイコー!
若輩者の私が申し上げるのも僭越ですが、、、
Iさんの話を謙虚に傾聴され、それに対し「その通りだ」とお感じになり、
アクションを興されたところに、あずきさんのご夫妻の素晴らしさがあると感じます。
自分の人生を、自分で選んで歩いて行くんだ!と言う強い意志に感動します。
地に足の着いた、覚悟を持った人の話は、伺っていて気持ちの良いものですね(^^)
本当に清々しいです。
Iさんも、そうしたあずきさんご夫妻の覚悟とお姿を、
どれ程嬉しくご覧になっておられたことでしょう。
今日の話は、本当に良い話だと思いました。
続きも楽しみにしております(^^)
あずきはん夫婦が「いい人」だからこそ、
「いい人なだけじゃダメ」って言ってくれる、
「いい人」が助けてくれるんでしょうね。(*´∀`*)
大将ご夫婦も、ホントにありがたい事をおっしゃってくれますし、
あずきはんってホントにいい人なんでしょうね〜。
なんか、わたくしには冷たいですけど。(* ´З`*)ツンデレッテヤツカナ。
いい人のところにはいい人が集まってくる
あずきさんへ
あずきさんと旦那さんがいい人であるからこそ、いい人たちが回りに集まってくるんですよね。 今日のIさんのお話を読んであずきさんのすてきな人柄がわかったような気がします。
PSあずきさんに感化されて私もブログ始めました。 良かったら(ヘナチョコブログですが)お越しください (お言葉に甘えてリンクさせていただきました)。http://drkaz.blog43.fc2.com/
コメントありがとうございます
akikoさん
たしかに商売をしていると、キレイなことばかりじゃありません。
でも、だからこそ見える、美しいこともあるのです。
ワタシも、akikoさんにはいつも励まされています。
お互い頑張りましょうね!
kuririnさん
いえいえ、若輩者はワタシの方で、今でも全然人間が出来ていません。
どんだけkuririnさんが立派か・・・。
昔がいかにヒドかったか、というだけ。
HさんにしろIさんにしろ、心から信頼できる人の言葉なら胸に響きます。
私たちは、周りに恵まれたの。
はっちー
ワタシは時に優しいけど、時に”ドS”。
玉虫色の人間性なのだ。
ストーカーなら、「冷たくされて本望」と思いなさい。(‐∀‐)
Kazさん
そのように言われると、恐縮します。
まわりの顔色ばかり伺っていただけなのです。
で・・・、ブログ開設おめでとうございます!
気負わず自然体でやっていきましょう。
リンクありがとうございました。(*´▽`*)ノ
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