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2009.10.25 (Sun)

店での会話

今回の記事は、「改訂版・女将ヒストリー」 の第7回。
なお、1話目から読んで下さる場合は、こちらからどうぞ→ 「女将ヒストリー」


「割烹料理とは」 の記事でも触れましたが、ワタシが店を始めて苦労したこと
というか、今でも苦手なことのひとつに、【お客さんとの会話】があります。

ワタシは勤めていた頃、旅行会社のカウンターで接客もしていましたし
ケーキ屋さんでバイトしたこともあります。
ですから、特に 「接客が苦手」 という意識はありませんでした。

けれど、旅行会社と割烹じゃあ、接客の質が、まるで違うんですよね。
それに、バイトと女将さんじゃあ、また全然違う。

要するに、うちみたいな業種は、会話も含め、店全体の雰囲気が問われるのです。
女将さんともなれば、そういった ”客あしらい” が、”出来て当たり前”という世界。

ただ、お店によっては、ご主人の方がよく喋る、 というパターンもありますよね。
女将さんがあまり目立たない代わりに、大将がすごく威勢がいいとか。

けど、うちの場合は
彼の方も、全然ダメ。

は~お手上げ

料理は出来ても、全く喋れないヒトだったのです。


というのも、彼が勤めていたお店では、トークは奥さんの独壇場。
とにかくひっきりなしにお話しする方だったので・・・・
大将や彼は、口を挟む隙もなかったのだそうです。

それに割烹の世界では、「板場のお喋りは、みっともない」 と言われることもあり
昔は黙々と仕事をするのが良しとされていました。
ですから彼の中では、お客さんとの会話は、基本、女将さんの仕事だったのです。

ただ、元々は嫁さんを 店に立たせるつもりのないヒトだったので・・・・
開店するにあたっては、「別に、おべんちゃらを言う必要はない。
” いらっしゃいませ” と ”ありがとうございます” さえ、キチンと言えればいいから」
と、言っていました。

けれど、やっぱ、それだけじゃダメなんですよね・・・
うちのような店のお客さまは
ある程度、店の人とコミュニケーションがあるのが、当たり前だと思っていますから。
てか、たしかに、カウンターの内と外で丁々発止のやり取りがあってこそ
割烹だと言えなくもない。

ですから彼の周囲の方は、皆さん、その点を心配しており
「この子、全然喋らへんからねー。その分アンタが頑張らなあかんよ」
と、ワタシに、かなり期待しているご様子。

ワタシ? 指さし


けど、そうは言われても、ワタシは、”行きがかり上”なってしまった、即席の女将ですから。
お料理やお酒のことを尋ねられても、知識は全部付け焼刃。
それにひきかえ、いらっしゃるお客さまは
しょっちゅういろいろなお料理屋さんに、出入りしている方ばかりなのですよ。
ですから、自信を持ってお話しすることなど、出来ようはずもありません。

「下手なことを言って、軽蔑されたらどうしよう・・・・」

タラー 汗

そう思ってしまうあまり、当たり障りのないことしか話せない状態でした。


それに、うちのような店は、いったんお客様がいらっしゃると
お帰りになるまで2時間位いらっしゃるのがフツー。
特にそれが おひとりさまの場合は、その間、ずっと話し相手にならなければいけません。
もちろん、店が忙しければいいのですが・・・・
ヒマで手が空いている場合は、放置しておく訳にいかないのです。

けれど、2時間も3時間もとなると、なかなか会話って続きませんよね。
世代も性別も違うのですから、話題を探すだけで大変です。

ですから、「あそこは、ふたり揃って愛想がない」 と、いつも言われており
ひどい場合は、「お通夜みたい」 と言う方まで・・・・。

お通夜のような店

(画像は、あくまでイメージです)


けれど、そう言われれば言われるほど、当時は、逆に身構えてしまうワタシ。
むしろ 「媚びたくない」 と、意固地になっていくようなところもありました。


が、あれから10年以上経った現在はというと・・・・

お客さんと喋ること自体は、全く苦じゃなくなりましたね。
てか、以前ほど緊張することもなく、割と地で話していると思います。

それに最初の頃は、義理で、それこそあらゆるタイプのお客さんが来てくれました。
なので、常に飲んでバカ騒ぎしたいお客さんにとっては
それこそ 「お通夜みたいな店」 だったのでしょう。
けれど、そういうお客さまに気に入ってもらおうとしても、やっぱ無理があります。
人間、合う合わないというのは、どうしてもありますから・・・・。

ただ、うちらは、あまりとっつきやすくない代わりに
いい加減なことや、その場しのぎのことだけは、言わないようにしてきました。
ですから、いまだにいらしてくださっている方たちは
そういう嘘のない部分を、気に入っていただけたのでしょう。
てか、結局、”合う” お客さんだけが残ってくださったので
気持ち的にラクになったのだろうと思います。

それに10年もやってれば、自然に話の引き出しも増えます。 
自分の体験なんて知れていますが、お客さまから、毎日いろんな話をお聞きしていますから。
常連さんには、ワタシのキャラもバレているので、今はヘンに気負うこともなくなりました。

けれど、それに甘んじてはいけませんよね。 


「いらっしゃいませ~!」


あずき顔挨拶

さあ、今日も本来の自分より、テンションを上げて頑張らなければ。



(※ なお、この記事は、2007年10月の記事に、加筆・修正したものです)



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11:30  |  女将ヒストリー  |  トラックバック(0)  |  コメント(8)

Comment

なるほどねぇ~…でも、気の合うお客さんだけで、店が続くかな?あずきさん、相当頑張ったんじゃないかな?そよね、毎日楽しい話題が続くものねブログの方も。
あずきさんは、やっぱり女将さんなんや。
声を張って頑張ってるんだねぇ~。
尊敬します!
それと、大将の料理も美味しいんじゃないかな?長時間、調理場に立つなんて凄いと思うよ。
うちの人はちょっと変わってるねん。無類の酒好きだから「酒場放浪記」とかも観てるよ。
mimi |  2007.10.16(火) 12:33 | URL |  【編集】

私も喋りはダメだなぁ・・・
まぁ、アベックが多かったから、ムリに割り込む必要もないし、
旦那がしゃべれる人だったから・・・
相手によっては、話すけどね・・・
誰とでも会話が出来る人って、すごいなぁ・・って思うもの(--;
とんぼ  |  2007.10.16(火) 12:55 | URL |  【編集】

あずきさんえらいです。「私そういうこと苦手だから」って努力しない人(私そうかも)だっているのにがんばったんだから。苦手でもやらなきゃいけないことにぶつかっていったあずきさん、偉いです。おされOL、一度はなってみたかった。おされにはなれませんが本当にフツーのOLを一生のうち一度くらいやってみたかったです。
uta |  2007.10.16(火) 14:12 | URL |  【編集】

自分から進んで話が出来ないとやっていけないんでしょうね。
私も昔実家が民宿やっていて、泊まりに来るお客さんと話をするのが苦手でいつも裏舞台で仕事していました。
でも今なら平気!
飲み屋さんやりたいと思ってるくらいだから(笑)
こんなおばあさんじゃ客が寄り付かないか?(笑)
おばさん |  2007.10.16(火) 20:06 | URL |  【編集】

コメントありがとうございます

mimiさん
もちろん、旦那さんの料理は美味しいですよん。
きつい仕事やのに、文句言わず働く姿も尊敬してます。

なので、ワタシが至らんばっかりに、店の評判が悪くなっては申し訳ない。
とりあえず、足かせにならんようにせんと・・・(^_^; アハハ…

とんぼさん
とんぼさん、「アベック」て・・・?! (´゚艸゚)∴ブッ
とんぼさんとこの旦那さんは、ようしゃべる人なんやね。うらやましい。
うちの人は、もろ職人やからな~。

utaさん
いやいや、「向いてない。職変えたい」て、ずっと思ってましたよ。
けど、職変える=離婚、みたいなことになるから、いろいろ面倒くさかったしな・・。(笑)
やり過ごしてるうちに、こんなオシャベリになってしまった。(;^_^A

おばさんサン
ほ~、実家が民宿ですか? 
ワタシも子どもの頃は、うちに出入りする父の麻雀友だちが、酒臭くて大ッ嫌いでした。
おばさんになると、大抵のことは、'`ィ'`ィ ┐(´ー`┌ てな感じになるもんですよね。
まさに、今のワタシがそうです。


あずき |  2007.10.17(水) 08:56 | URL |  【編集】

店によって、色々ですよね。

店によっては大将がおしゃべりっつーとこもあります。
うちの近くの寿司屋さんは女将さんがほとんどしゃべらない。

ウチのシェフは、手があいたとき、苦手じゃない人のみ。
それ以外はワタシが受け持ってますけど、
いろんな仕事をこなしながらですから、
ホステスさんみたいにはお相手できないですよね。

でも、なにかしら接点はあるので、ちょこちょこっとポイントを押さえて
一言、二言でもコトバは交わすようにしています♪
というより、むしろ聞き役になっているかもしれません。

追: 聞き役で思い出しましたが、
ウチのお客様で、とっても聞き上手な方がいらして。。
相手の話へのリアクションが素晴らしく、次に繋げる「振り」も絶妙。
相手は気持ちよく話し、途切れずに展開していく。。
それを見習いたいと思うのですが、まだまだ修行が足りません。
きらりん |  2009.10.25(日) 15:43 | URL |  【編集】

毎日がライブ!!

うちは 両方しゃべるほうかな?!
それに カウンター中心の居酒屋なので、お客さんもしゃべりに 来られるし。

だから、みなさん 暇な日を 喜んでおられますよ!!
店としては 微妙ですが・・・・。
自分たちも お客様とお話しするのが好きなので 「それもいいか!!」 なんて 言ってます。

忙しく 経営的にヨッシャ!! な日でも しゃべりが少ないと なにか・・・物足りない、仕事をしていない気分ですv-292

考えてみると!!
知る由もない世界の話や裏話、 お金を出して聞くような話 を タダで聞けるのです!!
それも、 お金をいただいて!!
なんて!! 素敵なことでは ないでしょうかv-363v-291v-363
 
塩姉 |  2009.10.25(日) 16:57 | URL |  【編集】

コメントありがとうございます

きらりんサン
そうなんですよね。
店では、あくまでお客さんに気持ちよく過ごしていただくのですから、結局は、「聞き上手」が好かれるのです。
けど、ツンデレにとっては、これがなかなか難しい。
自分にとっては、永遠のテーマかも知れません。

塩姉さん
たしかに、いろんな方と出会え、貴重なお話を聞けるのは、この商売ならでは。
自分の糧になっていると思います。

けど、おそらく、塩姉さんご夫婦に比べ、うちらは人見知りなんでしょうね。
社交的でない二人なので、お宅から、ひとり貸してほしいくらい。(笑)
あずき |  2009.10.26(月) 12:07 | URL |  【編集】

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