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2009.10.30 (Fri)

やり過ごし期間

今回の記事は、「改訂版・女将ヒストリー」の第9回。 
なお、1話目から読んで下さる場合は、こちらからどうぞ→ 「女将ヒストリー」

さて、二足のワラジ生活により、多少の安定収入を得ることになった我が家ですが
店の経営は、相変わらずギリギリ。
先のことなど全く見えない暮らしぶりでした。

もちろん、「儲かる」 と思って、この商売を始めたワケではありません。
けれど、休みはたったの月2日で、あとは毎日、朝から晩まで仕事。 
生活を楽しむ余裕なんて、まるでないのです。

ですからワタシは、結婚以来、ずっとこう思ってました。


あずきガッカリ落ち込み

「ああ、一体何のために、こんなことをしているんだろう・・・」


こんなことなら、二人で勤めに出た方が、どれほど楽だろう。
自分の店になんかこだわらず、もう雇われ板サンで、ええやん・・・、と。

けれど、それを口に出すことはありませんでした。
もちろん態度には出していましたがね。

が・・・

ある日、ふとしたことで旦那さんと激しく言い合いになり

ワタシはついにその思いを、口に出して言ってしまったのです。


「もう、いっそ店はやめませんか・・・」 と。
 
ガマン わなわな 悔しい



けれどそれに対し、彼は何も答えてくれません。

なので、ワタシはもう一度聞きました。


「それとも勤めに行くことは、アンタのプライドが許さへんの?」



それを聞いた旦那さんは少し考えていましたが、しばらくして、こう答えました。


旦那さんつぶやく

「僕のプライドなんて、別にどうだっていい。 


 けど・・・・

 もし僕が他所の店に勤めにいったら


 あっちの店に迷惑がかかるからなぁ・・・・」





いえ、皆さんには、何のことか、サッパリ分からないと思いますがね。
彼の言う ”あっちの店” とは、以前勤めていたお店のことです。

あちらはうちと違って、彼が辞めた後も、相変わらず大忙し。
けれど、彼の後釜を入れても、すぐ辞めていく子ばかりなのです。 
なので、結局大将は、新しく若い子を入れるのは諦め
奥さんと二人だけで、やって行くことにしたのですが・・・
冬の宴会シーズンだけは、ひとりでは、仕込みがどうにも間に合いません。 

というのも、実はそのお店には、非常に手間のかかる鍋料理がありましてね。
それの仕込みが出来るのは、大将以外では、うちの人だけなのです。
ですから彼は、冬場はあちらのお店の分まで、仕込みを手伝いに行っていたのですよ。

けれど、もし自分が別の店に勤めてしまったら、もう、そんなことは出来ません。
彼が言わんとしているのは、要はそういうことらしいのです。


それを聞いたワタシは、意外な答えにビックリしました。

「えっ?」

ビックリ え?


まさか彼がこんなことを考えてるとは、思いもよらなかった。



けど・・・

ええ~っ! 

サーッ 引く

いくら、お世話になったとはいえ、よそのお店のことでしょう? 
自分や自分の嫁のことより、そのことの方が大事なの~~?



ワタシは正直、引きましたけどね・・・・

それと同時に

この日ワタシは、旦那さんの生きて来た世界を見せつけられた気がしました。

そして

「ああ、やっぱ、今はやめられない」

う~ん ポリポリ

と思ったのです。


ワタシひとりだったら、もう、いつ辞めてもいい。
けれど、あの人の場合はワタシと違い、中学を出たばかりの遊びたい盛りから
ずっとこの仕事一筋なのです。

そして、18年間も修行してきた末、ようやく自分の店が持てたというのに・・・・

今ここで諦めたら、そこらのフリーターの子たちと、同じ仕事をしなければならない。


18年って、やっぱ長いですよね。 

そう思うと、せっかく頑張ったその年月を、チャラにさせるような真似は
ワタシには出来なかった。


今、自分のわがままだけで彼を辞めさせてしまったら

ワタシは一生後悔するんじゃないかな。 
 
・・・・その時ワタシは、そう思ったんですよ。



とりあえず、今はしんどいながらも、なんとか食べてはいけてる。

だったら、もうちょっとだけ頑張ってみよう。


そして、ホントにホントに、本当に頑張って、

それでも、どうしようもなくなったら・・・・



そのときは、また、ふたりで考えたらいっか。



仕方ない 涙こらえる


この時ワタシはこう考え、それからしばらくの間、うちらは ”やり過ごし期” に突入するのです。




(※なお、この記事は、2007年9月の記事に、加筆・修正したものです)



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まさかオタクまで、”やり過ごす”つもり?(●・`д・)っ

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